2011年1月3日月曜日
こんな本を読んだ 身体を通して時代を読む
読んだ。
内田樹さんの本はいつもいつもじっくり・振り返りながら読むので、時間がかかる。
※一日では読めない。
裏表紙に、この本を一文で表している紹介(推薦)がある。
「日本が抱える喫緊の課題の解決策を、介護、教育の世界からも注目を浴びる武術研究者甲野善紀と、フランス現代思想の研究者にして合気道六段の内田樹が、武術的視座から解き明かした画期的憂国対談。」
うまい。
でも、別に「解決策」は語っていないように思うんだけど。
全編、お二人の対談である。
お二人の対談を読み進めるうちに、何となく「解決策」が見えてくるような感じである。
深く・重く・面白く・ためになる。
ただし、武術にわずかでも関わっていないと(もしくは経験していないと)訳の分からない話も多い。
※ちなみに僕は、父が柔道をやっていて、僕自身も子供の頃柔道をやっていた。だから、この本が分かるんだ、とは言わないけど。
でも買って大丈夫、面白いから。
▼
全部読んでいただかないと誤解を受けるかもしれないが、ドッグイアの中から特に「おぉ!」と思った3箇所をご紹介しよう。
※そういえば、ドッグイヤーとドッグイア、間違えやすい。
「いまは速さが重要視されすぎてますよ。<略>人間も短い時間に一続きの仕事を終わらせることができる人を、能力の高い人間とみなす傾向があります。」
「その前にテレビゲームを法律で禁止したらどうかなあ。あれ、ほんとうに身体に悪いと思います。大人まではまるというのは、そのゲームがある種の充足感をもたらすからでしょう。脳内麻薬物質が出るんでしょうね。でも、どれほど快楽を得ても、あれは人間的能力の開発に資するところゼロですからね。」
「学ぶというのは、身銭を切らなくても人に訊けばどんな問いの答えも得られると思っている人間には無縁なことです。」
内田節である。
『わし、特に怖いことないけんね』的な人間でなければ、こんなこと言えないと思う。
何度か読み返すと「本当に」理解できる本だと思う。
お勧めしたい。
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