2011年1月6日木曜日

こんな本を読んだ ハードボイルド/ハードラック



本屋に行くたびに、この本の奈良美智氏の睨みつける少女の絵に怯えていた。
正面を見ていない(こちらを見ていない)ので、何とかなっていた。
この絵の少女が正面を見ていたら、声を出していたかもしれないくらい怖かった。

でも、大好きな絵だった。
きっと大人になりきれていないから、こんな絵を怖がってしまうんだろうな、と思っていた。
で、もう半世紀以上も生きて、特に怖いものもなくなったので、この本を買った。
なんて書くと、よしもとばなな氏に失礼か。

この小説はすごい。
今更か。
癒しの物語、なんだろう。
女性が主人公なのに、激しく感情移入する。
しかも、(過去にあまり経験がないが)主人公だけでなく、登場人物たちの色んな人に感情移入する。

心臓を両手で心臓の形のままそっと掴まれゆっくり揺さぶられるような感覚に陥る。

こんなちっぽけな本がこれからの人生を変えていってしまうような気がする。

絵が奈良美智氏の絵なので、感情移入度が半端ない気がする。
これが、安西水丸氏の絵だったら、全く別の感想だったに違いない。

目から入ってくる情報は人間が取り入れる情報のかなりの割合らしいが、さもありなん。

奈良氏のでっかい絵が欲しくなってきた。

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