![]() 街場のメディア論 価格:777円(税込、送料別) |
会社のWebにコラムの欄を持っている。
新入社員研修を統括(統括って何だ?要はお客様へのサービスに対し何から何まで全責任を負うのである)しているのでそれ関連のことを書いていくわけだ。
先月から始めたばかりだが、第1回は「本」について書いてみた。
結構なアクセス数らしいので、心して書いていきたい。
その中で本書も推薦している。
話題の本は読んでおかなきゃね、っつーことで。
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内田樹氏の「街場シリーズ」の四冊目。
他は「アメリカ論」しか読んでいない。
氏の本では「日本辺境論」が2010年の新書大賞を取り話題になっていたが、ここのところこちらの本の方が話題のようだ。
本屋さんに行ってもこちらが山積み、「日本辺境論」は探さないとないくらいだ。
※新宿3書店・渋谷1書店・品川1書店・府中1書店・町田3書店・相模原4書店・橋本2書店を見たくらいなので、あんまり正確ではないかもしれない。
言いえて妙なので、ぜひご覧いただきたい。
この方、本当にすごいなぁ。
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本書は、素材を大学の授業に取っているので若い人(大学2-3年生)に向けて書いている。
いつもの「ウチダ節」バリバリだが、自分的には、職業柄か「第一講 キャリアは他人のためのもの」が秀逸だと思う。
仕事をするとはどういうことなのか、その原理を説いている。
まず、適正や潜在能力が先でそれに合う職業を探すというのは、順番が逆であると説く。
「あなたの中に眠っているこれこれの能力を掘り起こして、開発してください」というふうに仕事の方がリクエストしてくるんです。自分の方から「私にはこれこれができます」とアピールするんじゃない。今しなければならない仕事に合わせて、自分の能力を選択的に開発するんです。(p.21-22)
その能力が必要とされたときにはじめて潜在能力は発動する。(p.23)
「自分が何をしたいか」「自分には何ができると思っているか」には副次的な意味しかない(p.25)というわけだ。
人って、仕事って、多分そういうことなんだろう。
漱石が仕事を「面白い」と思ってやっていたわけではなく、「器械的」にこなしていたことは有名な話だが、相通じるように思う。
第一講の最後にまとめがある。
「天職」というのは就職情報産業の作る適正検査で見つけられるものではありません。他者に呼ばれることなんです。(p.31)
著者が言いたかったことが簡潔にまとまっていると思う。
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以降の講では、メディア業界にはもう先がないのだということを、丁寧に解説してくれる。
実に面白い。
深く考えさせられる。
お勧めだ。
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