2010年8月7日土曜日

こんな本を読んだ・読んでいる 内田樹氏の著作

最近、内田樹(ウチダせんせと記述する)氏の本を集中して読んだ・読んでいる。

どの本も、テーマはあるのだが、内容が非常に多岐に渡り縦横無尽に脱線する。
筋は一本通っている。
脳の中に手を入れられて揺さぶられるような感覚を味わえる。
世の中の出来事や歴史に違和感を覚えていることに、解の一つを提示してくれる。
納得感が非常にある。
「いや、それは違うだろう」も一杯あるけど。

ウチダせんせの文体も好きだ。
真面目な文体の途中に、突如、若者言葉が混じったり、いい意味で混乱させてくれる。
全本お勧めだ。

ベストセラーの「日本辺境論」はまだ買ってない。


下流志向は最初に読んだ。
ウチダせんせの教育論、何歳でも結構だが、お子様がいるなら読んだ方がいいだろう。

なお、ウチダせんせの著作には、僕が口頭でも文章でも遣ったことのない言葉が満載だ。
気になる言葉や文も抜き出しておこう。



P.44 子どもたちは就学以前に消費主体としてすでに自己を確立している
P.140 (若者は)自己決定したことであれば、それが結果的に自分に不利益をもたらす決定であっても構わない
P.189 学ぶことの意味を知らない人間は、労働することの意味もわからない
P.235 平仄(ひょうそく)が合わない・・・監視を作るときに守るべき平声字と仄声時の配列が合わない、転じて物事の筋道が立たない

P.254 余計なことをするのが人間だ
P.264 阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)


疲れてなかったけど、読んだ。
角川文庫は紙の質が悪い(何年もたつと分かる)ので嫌いなのだが、仕方ない。

テーマは全て重く、深いが、すすすと読める。
お勧めだ。




P.77 お金は額に汗して稼ぐものです
P.106 「これがオレの感覚なわけ」とか「オレだけのこだわり、つうの?」というようなことを言う人、ほんとに頭が悪いと思います
P.157 本の場合は、本という「もの」があって、読んで、読み終わって、本棚にしまっておくと、目に見えるところに自分の知的なストックがだんだんたまっていって、目に見える自分の知識として実感できるというのがよいところです
P.229 逆説的なことですが、「暖かい家庭を構成できる人間」とは「一人でいることに耐えられる人間」のことです
P.243 政治的意見や社会問題に対する見解において家庭内で意見の一致を探るなんていうのは、まるでナンセンスなことです
P.246 欲望の充足を生態系の安定より優先的に配慮する生物、それが人間である
P.248 すべての人間が同じものを欲しがること、そして欲しがるものが絶えず変化すること、それが資本主義の理想なのです
P.250 隣人との差別化には熱心だけれど、隣人と私をともに包み込んでいるニッチの狭さにはぜんぜん気がつかない、というような意識のあり方をするものを「大衆」と呼びます
P.258 心耳(しんじ)を澄ませて無声の声を聴く


ドッグイヤーが多すぎて書き出せない。
ウチダせんせの名著。
お勧め。





街場シリーズ、人生相談のコーナーもあり、面白さ満載。
ドッグイヤー多すぎ。
お勧め。



P.12 一望俯瞰(いちぼうふかん)
P.13 「教養」というのは。。。知識や情報を整序したり、統御したり、操作したりする「仕方」のことである
P.57 偕老同穴(かいろうどうけつ)・・・共に暮らして老い、死んだ後は、同じ墓穴に葬られること、転じて夫婦の信頼関係が非常に固いこと
P.68 甜目(かつもく)・・・刮目じゃないかなぁ。。。
P.79 管見の及ぶ限り
P.106 驚天動地・・・世間をひどく驚かすこと
P.212 捨象して・・・年を抽象する際に、抽出された諸表象以外の表象を考察の対象から切り捨てること
P.228 掉尾(ちょうび)を飾る・・・最後を立派に仕上げること



これもドッグイヤー多すぎ。
お勧め。



P.132 捷径(しょうけい)・・・目的地に早くいける道
P.245 鼓腹撃壌(こふくげきじょう)・・・太平の世の形容
P.296 ご海容願いたい・・・相手の許しを願う言い回し


んで、今は、これを読んでいる。



実に勉強になるなぁ。

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