2010年6月28日月曜日

IT業界における新入社員研修考

そもそも「企業に就職できない」学生の数が、万の単位の昨今の社会状況下においては、新入社員として入社できて、新入社員研修を受けられるというのは、ラッキーなことだろう。
でも、「こういうことをしたい」から、「こういう勉強をしておこう」、で、「この企業に入ろう」、と思って、その通りに進んでいる人などは本当に少ないはずだ。
きっとIT業界でも少ないと思う。
100人もいないのではないだろうか。
だからどうこうではないが、受け入れ側は、相当の準備とお金をかけて、新入社員を待っているのだ。
入ってくれたら、大丈夫、後は貴方次第だ、新入社員諸君。
IT業界の場合、ITに関する技術知識がどうしても必要である。
新入社員としてある程度優秀(情報処理の資格を持っているとか、大学でPCを駆使してDBを構築したとか、自分のHP持ってますとか、Twitterでフォロワー3,000人ですとか)であっても、その企業に必要な全ての技術に精通しているはずもなく、教育が必要になる。
昨今は、IT技術知識(技術+製品知識)に加えて、いわゆるヒューマンスキルも大事な習得スキルになっている。
IT業界の新入社員でも、ここ何年かの人は、プレゼンテーションがうまく見える。
人前で話すことを臆さない。
でも、プロから見ると突っ込みどころ満載である。
マナーを含めて、この手のヒューマンスキルは一度教えれば後は大丈夫、ということがない。
教育期間中、ずっと、正してあげなければならない。
しかし、どれほど研修期間中にヒューマンスキルを磨いても、現場に配属されて、先輩達から「腰が砕けるような洗礼」を受けると、ぐずぐずになることが多いようだ。
挨拶しないなんて序の口で、わざわざ研修で受けてきた技術教育を否定するような言動を取ることもあるようだ。
駄目な企業はとことん駄目なのだが、そのような企業にもきらりと光る先輩がいることもある。
こつこつと会社を良くしようとする方、非常に尊敬できる。
そのような方のモチベーションがどこから来ているのか知りたいと思う。
新入社員の方は、何があっても、「自分が会社を変えるんだ。」という気概を持って、しかし、先輩に面と向かって逆らうことはせず、精進して欲しい。
駄目な先輩は必ず、粛清されますから。
運よく、新入社員研修を受ける機会を与えられたら、分かるまで、徹底的に質問をしたほうがいい。
「失敗してもいいからやってみる」前に、分からなかったら分かるまで質問して、できれば失敗しないようにして欲しい。
研修で失敗する人は、やはり、配属されてからも失敗することが多いような気がするから。
研修を実施する側の講師も「人」なので、完璧ではない。
あまり、「間違いを教える」ことはないだろうが、「分かりにくい」ことはあるだろう。
質問しよう。
皆の前で質問しよう。
君が分からないことは回りの仲間も分かっていないことが多いから。
研修期間中は、結構な量の知識を頭に詰め込む必要があるだろう。
ぜひ、「研修の内容にまったく触れない」日を、週に1回は作って欲しい。
シナプスを介して、海馬を中継して、脳に知識を定着させるには、「時間」が必要なのだ。
ずっと勉強し続けても駄目だ。
うまく時間を作って欲しい。
新入社員研修期間中は、ぜひ、沢山の本を読んで欲しい。
毎日1冊読んで欲しいところだが、そうもゆかないだろうから、10冊か20冊。
講師に聞かなくても、本屋に行って、30分もうろうろすれば読みたい本が見つかるだろう。
勿論、「新入社員が読んでおいた方がいい本」なんてのもあるだろうからぜひ本屋を覗いて欲しい。
本を読んだことを、他の人(同僚や先輩)にひけらかす必要はない。
ただ、読めばいい。
血となり、肉となるだろう。
そのことを実感するのは、少し先だ。
実感したときは感動するはずだ。
続けて欲しい。
新入社員研修を担当されている方、研修期間中は、その研修以外のことは出来るだけ排除してあげてほしい。
新入社員が学んだことを咀嚼して頭に入れるには、時間が必要です。
次から次に、色んなことをやらせないで欲しいと思います。
貴方もそうではなかったですか?
最後に。
ITのことを学ぶのに、困ることは今、ないだろう。
勿論、業務で使えるレベルの環境を家庭で構築できたりすることは難しいだろうが、大抵のことは(まず)本で勉強できる。
iPadでもいいけど、「本」で勉強して欲しい。
「辞書を引け」と同じことで、本を開くと「自分が知る・知りたいこと以外の内容も自然に目に飛び込んでくる」からだ。
自分の本棚に本が並べば、背表紙を見ただけで、自分が学んだ歴史が分かるし、よく分からないままページを閉じてしまった本があれば、本が語りかけてくれるはずだ。
「ねぇ、全部理解してないよね。もう一回読んでよ。」って。
あっ、そうそう、何をおいてもITで生きていきたかったら、タッチタイピングを習得しておいたほうがいいだろう。
「そんなことないよ。」と言う人も多いだろうが、できるに越したことはない。
ぜひ、お願いしたい。

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