谷中スケッチ

本日は、快晴でまさにお散歩日和である。

以前から計画していた、谷中巡りに行ってきた。

この駄文をお読みいただき、東京谷中を散策したつもりになっていただけるとうれしい。

一行は、gariken夫婦・（お馴染み）T家夫婦・（お馴染み）Yかりちゃん・（お馴染み）Kおりちゃんの計6名である。

ちなみに、　「ちゃん」　などとかわいく書いているが、勿論garikenがお付き合いするに相応な立派な大人である。

T家夫婦は夫婦揃って金融関連にお勤め、Yかりちゃんは動物病院の院長、Kおりちゃんは市議会議員の奥さんであるので、ただのサラリーマン夫妻であるgariken夫婦は肩身が狭いのであるが、長い付き合いなので、許して欲しい。

家の前の公園に集合し（Yかりちゃんだけ駅で待ち合わせ）出発した。

(谷中と関係ないが）駅までの途中の川にブルが入っていて、土やら石やらを豪快に掘り返していた。

どうやって乗り入れたのだろう？？？

小田急で新宿に出てから、山手線で日暮里まで。

休日ということもあり、空いていて快適である。

日暮里駅はかなり　「近代的な香り」　がする駅に変わっていた。

駅の中の本屋が、谷中近辺の紹介本を大量に置いてあり、思わず買ってしまう。

卑怯な作戦であるが、購入しちまったので、本屋的には大成功であろう。

※本当は、もう3冊ほど（志ん生の　「貧乏自慢」　とか）購入したかったが、まだ谷中のやの字も巡ってないので、ぐっと我慢である。

購入したのは、大好きな森まゆみ氏の　「谷中スケッチブック」　である。

ぱらぱらと読むだけでも楽しい。

こういう本に、思いがけず出会えると本当にうれしい。

この書評は別途。

（amazonに写真がなかったので、後述する　いせ辰の手ぬぐいの上に乗せてみた。）

まずは、T家ご主人のお父様の眠る谷中墓地に行った。

きれいな墓地で、日頃のお付き合いに感謝し、お祈りをする。

無縁仏の前に、可憐な花が咲いていた。

谷中墓地を出て、左へ。

数分で、谷中銀座手前の谷中せんべいである。

後述する菊見せんべいより若干柔らかいような気がする。

唐辛子入りと普通のを購入した。

皆も色々と購入。

そのまま、谷中銀座に。

それほど混んでいるわけでもなく、なんとものんびりした感じがいい。

写真は、garikenを除く5名である。

途中、志ん生・志ん朝・馬生の親子3人の写真を発見。

思わずシャッターを押した。

そもそも、志ん朝が大好きである。

「今戸の狐」　と　「居残り左平次」　が大好きだ。

もういい年になったので、志ん朝のCD（とDVD）は全部揃えるつもりだ。

途中、肉のすずきで、名物のメンチカツとコロッケを購入し歩きながら食べる。

メンチカツは200円、コロッケは90円である。

メンチカツはさすがにおいしい。

Yかりちゃんはメンチカツを頬張った際、肉汁が大量にあふれ、服やらバッグやらに大量にぶちまけ、　「そういう模様か？」　と思わせるようなシミを作っていた。

おまけに、全身からメンチの油のにおいがし、　「メンチー」　などと呼ばれていた。

気の毒だが、肉汁を強引に吸い込まなかったのが悪い、と、こう思う。

こちらが、食べかけのコロッケとメンチである。

今度は、ウスターソースの小瓶を持ってこようと思う。

谷中銀座を歩き終え、昼食のお蕎麦屋さん大島屋に向かう。

途中パン屋のリバティーで有名なぶどうパンを予約しておく。

こちらのぶどうパンは、　「ぶどうパン」　というより　「パンぶどう」　と言った方が分かりやすい。

それほど、ぶどうの量が多い。

腕がしなるほど、重い。

予約をしておかないと、絶対売切れてしまうので、予約をお勧めしたい。

さて、大島屋である。

早めに行ったので、6名席を確保できた。

お勧めメニューに、そばがきがあったので、2人前を注文し、6名でいただいた。

何ともいえない食感で、非常においしい。

柔らかいのだが柔らかくなく、お蕎麦のようでお蕎麦でなく、もちもちっとしていて、また、タレも絶妙である。

葱とかつぶしと山葵と海苔が別に出てくるのがまた泣かせる。

お酒が欲しいところである。

しかも結構な量である。

このそばがきを食べた時点で、全員ちょっと不安な顔になってしまった。

そう、ややお腹が一杯になってしまったのだ。

僕は、間抜けなことに天婦羅蕎麦の大盛りである。

妻は、トロロ蕎麦である。

天婦羅が親の敵のように熱く、ごきげんであるが、なにせお腹が一杯だったので、きつかった。

でも、さすがにお蕎麦はおいしい。

でも、ツユは若干薄かった。

子供の頃からここの蕎麦を食べているY家ご主人Y三さんが　「薄い。」　と断言していたので、間違いない。

惜しい。

でも、残さずいただいた。

Yかりちゃんの蒸篭もいただいた。

写真のように、大島屋は2階にあるのだが、中々の風情である。

食後、全員満腹で、前かがみになれないのでいばったような歩き方で、目の前の大澤鼈甲に行った。

これは、Yかりちゃんが何年も行きたくて行きたくて訪問を熱望していたお店で、高価な鼈甲の髪留めとルーペを購入し超ご機嫌であった。

メンチの臭いなぞなんのそのである。

店全体にメンチカツの臭いが充満していたようだが、お店の上品なお姉様は、表情一つ変えず、上品に対応されていた。

大澤鼈甲の後は、徒歩5秒の菊見せんべいである。
谷中せんべいとはまた違ったおいしさのせんべい屋だ。

何といっても　「四角いせんべい」　が珍しい。

せんべい購入後、三崎坂を上る。

数分でいせ辰だ。

日本情緒溢れる千代紙や、手ぬぐいや巾着の店だ。

僕は手ぬぐいを購入した。

谷中スケッチブックの下に敷いていたものだ。

今、その手ぬぐいを触りながらこれを書いているのだが、　「和のもの」　はなぜか落ち着く。

いせ辰を出てすぐ、喫茶店乱歩がある。

入りたかったが、お腹が一杯でコーヒー一杯も入りそうもないので、写真だけ撮っておいた。

次回のお楽しみである。

少し行くと、谷中小学校である。

一見小学校には見えない。

Y三さんの母校である。

坂を上がり、右手に曲がると途中、大名時計博物館がある。

Y三さんも行ったことがないというので、行ってみた。

すると、拝観料300円を徴収されることが判明し、速攻で見学中止である。

こちらも、次回のお楽しみとしておこう。

更に進むと、テレビコマーシャルで有名な、ヒマラヤスギとみかどパン店が現れる。

どこか懐かしさを感じさせる風景である。

子供の頃、確かにこんな感じの木陰の駄菓子屋で遊んでいたような。。。

愛玉子に向かう途中、雲ひとつ無い空に、1機の飛行機が派手に飛行機雲を作りながら飛んでいた。

鮮やかだった。

本当に雲ひとつ無い。。。

で、愛玉子である。

まだ、お腹が一杯だったので、お土産として購入することにした。

一つ400円である。

原材料を見ると思いっきり引いてしまう。

今夜食べる予定だ。

楽しみである。

愛玉子を抜けると、旧上野桜木町跡に旧吉田屋酒店がある。

風情溢れる、昭和を感じさせる跡地だ。

細い路地を抜け、東京藝術大学に向けて更に歩を進める。

写真は、愛玉子を持つ妻である。

東京芸術大学である。

さすがに風格がある。

ところで、これが問題のメンチーの服である。

写真ではいまいち伝わらないが、これが全ての臭いの素である。

上野公園に到着。

「モンブラン」　なオブジェがあった。

大好きな麒麟のオブジェも。

上野動物園である。

穏やかな入り口の様子である。

東照宮の入り口である。

右手に抜けて、坂を下り精養軒を左手に、不忍池に到着した。

小虫が多く参った。

メンチーのせいか、とも思ったが、そういうわけでもなさそうだ。

鈴本演芸場の前を通り、そういえばずっと歩き続けで、皆へとへとになったのと、コーヒーが飲みたくなったので、頑張って御徒町まで歩き、風月堂に行く。

ここで、Yかりちゃんの購入した、鼈甲を見せていただく。

これが、髪留めとルーペである。

なぜ、鼈甲のルーペが必要なのか知る由も無いが、素敵なものであるのは間違いない。

今度は、眼鏡のチェーンを買うのだそうだ。

頑張って欲しい。

風月堂は、お上品な方が多いようだ。

僕たちの広いテーブルで、初老の婦人が洋食を召し上がっていたが、ライスをフォークの背に乗せようと悪戦苦闘していた。

それって違うんぢゃね？と思ったが、まさか、突っ込むわけにもいかず、笑いをこらえるのに苦労した。

帰りは、御徒町から山手線で新宿に出て、ロマンスカーで町田まで帰ってきた。

ロマンスカーもがらがらで、快適であった。

町田の小田急で買い物をして帰宅した。

途中、朝は気づかなかった　「梅」　の花が咲いていた。

ちょっぴり、　春　なのか。

結石の痛みも忘れる、すばらしい1日だった。
若い頃はこんな散策が　「すばらしい」　ことだなぞ、想像もしていなかった。

年を取っていくことも、こんな友人たちがいて、知らない場所がまだまだたくさんあると思うとうれしい。

なんだか、元気になった。

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