2011年5月11日水曜日

こんな本を読んだ 現代思想のパフォーマンス



内田樹強化月間の一冊。
「映画の構造分析」と連続して読むと面白いと思う。
話、重なってるところあるし。

フランス現代思想の巨人たちを中心に、6名の思想家に焦点を当てて、内田氏と難波江氏が交互に書いている。
巨人の紹介と解説、その思想を様々な映画や本と絡めて面白く紹介してくれている。
面白く紹介、とは、現代思想をツールとして使いこなす技法を実演(パフォーマンス)している、ということで、難波江氏がわざわざまえがきで、「この本はマニュアル本ではない」とことわっているくらいだ。

でもでも、、、

内田氏があとがきで書いているように、「サルでも分かる現代思想」を目指した本のようだが、まぁ、分からない。
面白いけど、分からない。
何回読みなおしても、全然頭に入ってこない箇所が大量にある。
それと、震災から2ヶ月の今、「俺、こんな本読んでてていいのか?」という思いが、その分からなさを加速する。
出口のない迷路に迷い込んだようだ。

ただし、面白いことは面白いのだ。
全然理解出来ないことが満載なのに面白いとはどういう事だ、と思うが事実である。
というか、「で?」と「ほほー」が交互に現れるので、休んでいる隙がない。
多分、お二人の文体に独特のリズムがあるのだろう。
またパフォーマンスが意外なものを取り上げているので、「へぇ」と思う。
そのパフォーマンス対象は映画だったり、本だったりするわけだが、観ていなくても、読んでいなくても大丈夫なように書いている。
※でも、観て・読んでるともっと分かると思う。
毎年再読すると、毎年別の感想を持ちそうだ。

ちなみに、6名とは、ソシュール・バルト・フーコー・ストロース・ラカン・サイードである。

ビジネス書ばっかり読んでいる人が手に取ることは決してないだろう。
何故なら、「すぐに役立たない」し、「ビジネス=お金に直結しない」し、第一「分からない」だろうから。

こんな本を読めて幸せである。

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